NFTって最近よく聞くけど、そもそも何?
今回は、そんなハートちゃんのためにNFTについてわかりやすく説明しよう。
NFTって何?
NFTとは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略称です。つまりひとつひとつが固有で唯一無二ということ、「世界にひとつだけのデジタル資産」ということになります。
今までのデジタルデータは誰でも簡単にコピーできるものでした。NFTは、ブロックチェーンの技術を使い、「世界にひとつしかないデジタルデータ」を実現することを可能にしました。これによって、「世界にひとつだけの画像」「世界にひとつだけの音楽」「世界にひとつだけの動画」「世界にひとつだけのゲームアイテム」などを簡単に作ることができます。そして、単なるデジタルデータだったものが莫大な価値を持ち始めているのです。
トークンとは?
「トークン」は直訳すると「しるし」「象徴」という意味です。この意味から派生して、ビットコインやイーサリアムなどの「既存のブロックチェーンを活用して新しく開発された暗号資産のこと」を指します。つまり、仮想通貨とトークンは別物であるということです。
トークンには大きく分けて2種類あります。
- Fungible Token(FT):代替性トークン
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同じ価値を持つものが存在する(例:1万円は誰にとっても同じ1万円)
- Non-Fungible Token(NFT):非代替性トークン
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この世に唯一無二で複製ができないもの(例:有名スポーツ選手が着たユニフォームなど)
スマートコントラクトとは?
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みのことです。ブロックチェーン上で、契約の管理、実行を行えるシステムです。スマートコントラクトでは、第三者を介することなくプログラムの実行を自動で行うことができるようになります。
- 必ず契約書のルールで実行されます。
- 実行されている状況を監視できます。
- 実行されたことをもとに戻すことはできずその事実が記録されます。
高額販売されたNFT
- 3LAU 音楽アルバム 約13億円
2021年2月、3LAUのアーティスト名で知られるDJで音楽プロデューサーのジャスティン・ブラウは、過去のアルバムをNFT化して1,170万ドル(約13億円)を売り上げました。
- ジャック・ドーシー最初のツイート 約3億円
2021年3月22日、米Twitterと米SquareのCEOを務めるジャック・ドーシー氏が「世界初のツイート」NFTをオークションに出品し、291万5,835ドル(約3億1640万円)で落札されました。
- Burnt Banksy バンクシーのアート 約4,150万円
2021年3月、英国の匿名アーティスト「Banksy(バンクシー)」の作品を実際に焼却処分して発行された『Morons』というタイトルのNFTが、228.69ETH(約4,144万円)で落札されました。
焼却された元の作品は「2019年に32,500ポンド(約487万円)で販売された」と伝えられています。
- Beeple「Everydays-The First 5000 Days」約75億円
2021年3月11日、Beepleという名前で知られるデジタルアーティストの作品がNFTとしてオークションにかけられ、NFTとしては史上最高額の6,935万ドル(約75億円)で落札されました。
NFTは何がすごいのか?
これまでデジタルデータは簡単にコピー・複製ができたため資産価値が生まれにくい状況にありました。
しかし、NFTの登場によって自分が保有するデジタル資産を唯一無二の存在として証明することができるようになり、デジタルの世界に資産価値が生まれるようなりました。
二次流通時にも利益が還元できる
NFTは、制作者が誰で、誰から誰に渡ったのかがブロックチェーンに刻まれているので、最初の販売時だけではなく、購入者が転売した際の二次流通時においても制作者に利益が還元できるようになっています。
さまざまな分野で活用できる
デジタルアートや動画、音楽、ゲーム、仮想空間、SNSの投稿、電子書籍版権などNFT化できるものは幅広くあります。
1点ものアートピースを所有することで、そのアーティストへの支援証明になったり、コレクティブNFTを購入することでコミュニティ(DAO)への参加権を得ることができます。
また、国や企業を経由しないと証明できなかった権利・価値(証券、株、選挙権、音楽、イラスト、ID、卒業証書、不動産、保険、自動車、ポイント、著作権、鍵、キャラクター、資格、通貨、契約書、医療、特許、チケット、アート、書籍、会員証、パスポート、商標)をブロックチェーン上のNFTとして個人で管理できるようになると生活が変わります。
NFTの将来性
NFTの市場規模は、2020年には前年比50%増の3億1,500万ドル超、2021年には約125%増の7億1,000万ドルに達し、急速に成長しています。
投資銀行のJefferiesは、NFTの市場希望は、2022年に350億ドル(約4兆円)以上、2025年には800億ドル(約9兆1,000億円)以上になると予測しています。
NFTはどこで買うの?
NFTは、NFTマーケットプレイスで買うことができます。NFTマーケットプレイスとは、NFTアートの販売や売買を行えるプラットフォームのことです。
国内NFTマーケットプレイス | 海外NFTマーケットプレイス |
---|---|
・LINE NFT ・Coincheck NFT ・AdambyGMO ・SBINFT Market ・HEXA(ヘキサ) ・Rakuten NFT | ・OpenSea ・Rarible ・SuperRare ・Nifty Gateway ・Foundation |
国内、海外にNFTのマーケットプレイスはたくさんありますが、初心者の方は、まず、「OpenSea」で買うようにしてください。
特に、日本企業が運営するNFTマーケットは、実際にはブロックチェーンの技術が使われていない「NFT風デジタルデータ」もあったりします。OpenSeaは世界最大のマーケットプレイスなので、買う場合も売る場合も、ここを使うのが基本です。
NFTの注意点
- 1.詐欺師がいるのは当たり前
- 2.法整備が整っていない
- 3.ガス代(ネットワーク手数料)が不安定
1.詐欺師がいるのは当たり前
SNSで特定のキーワードを発言すると、DMやリプなどで詐欺師が集まってきます。そして、シークレットリカバリーフレーズを聞いてきます。シークレットリカバリーを求められたら100%詐欺なので、全て無視してください。
エアドロ企画やプレゼント企画に当選したという内容のDMが送られてくることがあります。こういったメールはほとんどが詐欺で、リンク進むとシードフレーズ求められます。心当たりのないメールは全て無視しましょう。
Google検索などの広告枠は、偽サイトの可能性があります。Metamaskなどのウォレットアプリ、プラグインも、定期的に偽物が出てきます。必ず公式サイトや公式ツイッターのリンクから飛びましょう。
OpenSeaにも偽物がいます。試しにOpenSeaの検索窓でCHIMNEY TOWN DAOを検索してみると、、、
似たような画面ですが、左側は偽物で右側が本物です。NFTを購入する場合は、必ず公式ツイッターやDiscordの公式リンクから飛ぶようにしましょう。
2.法整備が整っていない
デジタルコンテンツの所有権は法律的には未定義です。民法上、所有権を認められるのは、「有体物」です。NFTは、有体性を欠くため民法上の「物」には該当しません。NFTを持っているからと言って、法的にその作品を所有しているわけではありません。
法整備が進んでいないため、NFTの取引で金銭的な損失があった場合には、法的な保護が受けられず自己責任となってしまいます。
3.ガス代(ネットワーク手数料)が不安定
ブロックチェーン・プラットフォーム上で手続きする際にかかる取引手数料のことをガス代といいます。ガス代はリアルタイムで変動していて、同時刻での利用者数が多いほど価格が上昇する仕組みになっています。そのため、混雑するタイミングで購入すると、ガス代の高騰によって思わぬ出費になってしまいます。
最後に
NFTによって、デジタル資産の取引が安心してできるようになりました。それによって、デジタルアートを購入したり、仮想空間を使って新しいビジネスの取引をしたり、ゲームの中で世界中の人とアイテムの売買を行ったりすることができます。
ブロックチェーン、仮想通貨、メタバースによって、NFTの可能性はどんどん広がります。
NFTにも課題がないわけではありません。国や国際法などの強い規制によって、NFTの普及にブレーキがかかる可能性もあります。
ブロックチェーンは安全でも、暗号資産取引所やNFTマーケットプレイス、ウォレットにセキュリティ的な問題が発生したり、詐欺被害に遭ったりする場合も考えられます。
NFTを取引する場合は、自己責任のもとで十分注意を払ったうえでお願いいたします。