DAOって最近よく聞くけど、何なの?
今回は、そんなハートちゃんのためにDAOについてわかりやすく説明するよ。
- 本記事の内容
- DAOとは何か?
- DAOのメリットとデメリット
- 具体的なDAOの事例
- DAOの将来性
これを読めば、DAOについての理解が深まります!
DAOとは何か?
DAO(Decentralized Autonomous Organization)は日本語に訳すと「分散型自律組織」です。DAOの読み方は「ダオ」が一般的ですが、「ディー・エー・オー」とアルファベットをそのまま発音する場合もあります。とは言っても、これだけでは意味が分からないですよね。
DAOとはブロックチェーン技術に基づいた新しい組織形態で、特定の所有者や管理者が存在せず、組織の構成員一人一人によって自律的に管理・運営される組織と言われています。
2014年にイーサリアムを考案したロシア生まれの天才Vitalik Buterin (ヴィタリック・ブテリン)が書いたブログ記事には、DAOというのは、中央が自動化されていてその周りに人がいる状態、この中央の部分にスマートコントラクトが動くことで、中央に管理者が存在しない構造ができると書かれています。
「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーン上の契約のことであり、条件を満たせば契約や取引が自動的に実行される契約のことです。スマートコントラクトが1度ブロックチェーンに保存されると、本人も第三者も変更できなくなります。スマートコントラクトに保存された情報は、ネットワークに参加していればだれでも確認できますので、透明性に優れていると言えます。
「DAO」のカテゴリ
DAO CentralのSteven Tey氏は、DAOを次の10個のカテゴリーに分けています。
- Protocol DAOs ー 二次流通の取引を可能にするトークンを作るDAO
- Service DAOs ー 同じ領域の専門家でサービスを提供するDAO
- Product DAOs ー 特定のプロダクトを開発するためのDAO
- Special Purpose DAOs ー 特定のアクションや寄付などを実行するためのDAO
- Social DAOs ー 同じ趣味嗜好を持つ人が集まり、ソーシャルコミュニティ要素が強いDAO
- Collector DAOs ー 複数人で共同でNFTを購入することでプロジェクトに投資するDAO
- Investment DAOs ー 多額の資金をプールし、マニフェストに沿ったプロジェクトに投資するDAO
- Grants DAOs ー 新しいプロジェクトを立ち上げるために資金調達を行うDAO
- Education DAOs ー Web3のインセンティブ構造を活用して教育を提供するDAO
- Media DAOs ー ユーザーを巻き込んでメディア制作を行うDAO
DAOのメリット
DAOには次のようなメリットがあります。
- 中央管理者がいない
- 透明性が高い
- 誰でも参加できる
1.中央管理者がいない
DAOでは、組織を統率する代表者が存在せず、参加者同士で意思決定がされます。
DAO はそれぞれ独自のガバナンストークンを発行しており、トークンを購入することで組織に参加し、意思決定のための投票権を保有できる仕組みとなっています。
そして、組織に集まった資金の使途や管理方法に関わる意思決定は、投票によって決まり、スマートコントラクトにより実行されます。スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に設定した条件が成り立ったときに契約や取引などがプログラムによって自動的に実行される仕組みのことです。つまり「プログラミングのコードに従って人間が自律的に動く世界観」こそが、DAOの本質的な特徴です。
2.透明性が高い
DAOはブロックチェーン上で運営されており、参加者同士の意思で決定されたルールはスマートコントラクトで実行されます。ブロックチェーンはオープンソースなので、ソースコードを見ればスマートコントラクトの内容を確認できます。
すなわち、DAOは透明性が高く、どのようなルールに基づいて運営されているのかが誰でも閲覧できるのです。
3.誰でも参加できる
DAOは誰でも参加できるので、興味のあるプロジェクトを運営しているところがあれば自由にメンバーになれますし、匿名で参加できます。
また、ガバナンストークンを持っていれば組織の意思決定に加われます。
DAOのデメリット
DAOには次のようなデメリットがあります。
- 意思決定に時間がかかる
- 投票が必ずしもいい結果を生み出すわけではない
- ハッキングリスクがある
- 法整備がされていない
1.意思決定に時間がかかる
DAOには中央管理者がいないため、参加者同士の合意によって運営されます。この合意形成方法はDAOの特徴ですが、意思決定に時間がかかってしまうというデメリットがあります。
また、一旦意見が割れるとなかなか意思決定が進まず、プロジェクト自体が暗礁に乗り上げることもありえます。
2.投票が必ずしもいい結果を生み出すわけではない
DAOにはだれでも参加可能ですが、逆にいうと、どんな人物や組織が参加してくるか予測できず、阻止することも困難です。ですので、構成メンバーによっては、DAOで下される意思決定が必ずしも妥当なものとは言いきれません。
3.ハッキングリスクがある
ブロックチェーンは、ハッキング(改ざん)するのは困難だとされてきました。しかし、最近ではブロックチェーンのシステム上の脆弱性が原因で発生してしまったハッキング事件が起きています。
4.法整備がされていない
日本を含めて、世界中の国々でDAOに関する法律は十分に整備されていません。万が一ハッキングされたとしても、補償を受けられるとは限りません。今はまだリスクがあることを覚えておきましょう。
DAOの実例
ここからは具体的なDAOを4つ紹介します。
1.The DAO(世界初のDAO)
2016年4月にイーサリアムブロックチェーン上に構築されたドイツのIoTベンチャー企業であるStock.it社により設立されました。
The DAOは、自律分散型の投資組織で、投資先をDAO参加者の投票で決め、利益が上がれば参加者に配分するというシステムでした。
世界中の投資家がトークンを購入し、約1億5,000万ドル(当時のレートに換算すると150億円以上)の資金を集めました。
The DAOは、「技術的要因」と「法的要因」によって失敗に終わります。
2016年6月17日、スマートコントラクトの脆弱性を見抜いたハッカーがトークンの販売が完了したタイミングで侵入し、資金の3分の1ほどが盗まれてしまいました。これをきっかけにトークンの価値が急落しました。
なお、イーサリアムは当時の参加者の合意により、ブロックチェーンをハッカーに盗まれる前の状態に戻すことで、盗まれた資産を取り戻しています。
資金提供の見返りに得るトークンが「証券」に該当する可能性があるとし、2017年に米国証券取引委員会(SEO)によって調査報告書が公開されました。
2.ビットコイン(もっとも成功しているDAO)
ビットコインやイーサリアムも、ブロックチェーン上で一定のルールに従って運営されているため、DAOであるといえます。
ビットコインは、世界で初めて成功した完全な形で分散しながら運営されているDAOといえるでしょう。
ビットコインの取引はネットワーク参加者によって処理・記録され、ブロックチェーンへの取引記録の完了後に新たなビットコインが発行されます。こうした一連の流れはブロックチェーン上でプログラミングされており、オープンソースであるため誰でも閲覧可能です。閲覧できることに加えて、ビットコインの承認作業には誰でも参加できますし、新規発行されたビットコインを受け取れます。
3.Nouns(運営を自動化するDAO)
Nounとよばれるアバター(32ピクセル×32ピクセルの画像)を24時間ごとにランダムに自動生成するNFTプロジェクトです。
Nounsの特徴は、
- 24時間に1つNFTが自動でオークションにかけられる
- その収益の100%がDAOで管理される
- DAO参加者はその資金の使用使途を提案
- NounsのNFTはフルオンチェーンで制作
- CC0(商用利用OK、二次創作OK)を採用
このDAOには約60億円分のETHが集まっています。
4.FRIENDS with BENEFITS(コミュニティ的DAO)
2020年9月にDJであり起業家のTrevor McFedries氏が立ち上げたDAOで、クリエイターや思想家のためのDAOとして、デジタル空間と実世界の両方で活動しています。
志を同じくするメンバーと親交を深め、プロジェクトに加わったり、プロジェクトを立ち上げたりできます。またオンライン・リアルで開催されるイベントにも参加できます。
DAOの将来性
1.多くの投資が集まる
DAOの注目度が高まることで多くの投資が集まるようになります。
2.株式会社→DAOへの変容
多くの業態で株式会社ではなく、DAOで運営される組織が増加すると思われます。透明性が高いことから、寄付金を募集するチャリティー事業とも相性が良いです。
3.ガバナンストークンの価値が高まる
注目度が高まるにつれ、同時で発行しているガバナンストークンの価格が上昇することが期待できます。
いずれにしてもDAOへの注目度は今後さらに増加していくことが予想できるでしょう。
最後に
この革新的な波に乗り、DAOに参加するには今が絶好の機会だと思います。
この記事を読んでDAOに参加したくなった方は、ぜひ参加してみてください。基本的にDAOは参加無料で、Discordのアカウントさえあれば、気軽に参加できます。「百聞は一見にしかず」です。ぜひご自身で体験してみてください。